006 クランク・アップ
並べて物事には構成というものがある。
発想と切っ掛け、時機、計画、下書き、推敲、改良、構築、更に重ねる事、構築、
積み上げては直し、直しては惑い、より良い形を構成すべく
諸々の過程及び数々の試行錯誤を経て、それは一応の完成を見るのだ。
機能は果たしているか。不具合はないか。メリットはあるか。
必要性の高いものか。悪性はないか。安全に使用できるか。
何も机やペンや私の体、形の有るものに限った話でもあるまい。
この私の気持ちも、きっとそうした循環の末に生まれた構成物なのだろう。
私の気持ちは積み上げられて完成を見、そして今に至っている。
全身に及ぶこの反応も構成され、完成した仕様だ。
夜分勝手に高みへと追い詰められるのも、勿論仕様だ。
眠れぬのも仕様。
火照るのも仕様。
眼裏に浮かぶお前も仕様。
触れられたくて堪らぬこの体も、仕様。
見立てた右手も仕様。きっと、仕様。
やたらと咥えたがるこの口腔も仕様。
憑いて放せぬ玩具も仕様。
咽喉口から漏れる破廉恥な声も制御を見ない息も
熱を帯びる神経系も垂れ流した粘液も、仕様。






止まらないのだから仕方があるまい。きっと私は悪くない。
悪いのは、私を抱かぬお前だ。












































































然し、然し、だ。
これが何らかの完成された構成というのなら
どうして、こんなにも空しいのだろう?

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